ロータリーの誕生
20世紀初頭のアメリカ社会、とくにシカゴの状態は経済恐慌で人心は荒れすさんで弱肉強食さながらでした。これを何とかしようと1905年2月23日、青年弁護士ポールP.ハリスが3人の友人と語らって、友人の一人のガスの事務所で第1回の会合を開いたのがロータリークラブの誕生です。
ロータリーの名前の由来
第1回の会合から、次から次へと会員の事務所を会場として会合を開いたので、ロータリーという名前が付きました。
ロータリーの成長と組織
最初のひとつのロータリー・クラブは着実に成長して、各地に新しいクラブが誕生し、現在世界162の国にロータリークラブが存在しています。このクラブを会員として国際ロータリーが構成されています。全世界のロータリアンは約120万人、クラブ数は約3万で、管理上これらを528地区に分け、各地区に一人のガバナーを置いて、国際ロータリー世界本部と地区をつなぎ、地区の管理を行うようにしています。
日本のロータリー
日本のロータリー・クラブは、1920年(大正9)10月20日、米山梅吉氏(三井銀行重役)が東京に創立したのが始まりです。世界では855番目のクラブでした。
その後第2次世界大戦により、一時国際ロータリーから脱退したのですが、その間でも当時の会員であった人たちはロータリーの精神を堅持して、ほぼ毎週例会を開き、ロータリーの組織を維持してきました。
戦後、国際ロータリーに復帰が認められ、益々発展して現在では会員数約124千人、クラブ数約2千3百、地区の数は35(2000年7月現在)で、世界の1割強のロータリアンを持つ大きな国となっています。
ロータリアン
ロータリークラブの会員をロータリアンと呼んでいます。会員は定款により、クラブの区域内の各職業(実業あるいは専門職業)の代表的な人が一業種一人という原則で選ばれています。
毎週1回1時間の例会があり、各職業人の交友を通じて地域社会に対して奉仕する機会を得ようといろいろな計画を練っています。こうして、ロータリー・クラブは地域社会のニーズに応えるいろいろな社会奉仕活動をしています。
ポリオ・プラス・プログラム
現在、ロータリーのプログラムの中で一番大きなものは、「ポリオ・プラス・プログラム」です。
これは、2005年(ロータリー創立100周年)までに、全世界からポリオ(小児マヒ)の撲滅を宣言しようという大事業です。1985年に発足し、1988年までに2億4千万ドル以上を集め、多数のボランティアを動員して世界中のロータリアンが協力しています。
その他、奨学金制度は世界最大の規模で、あらゆる学問分野に対して支給され、国際親善奨学生として全世界でその役割を果たしています。
職業奉仕
ロータリーの最大の特徴は「職業奉仕」です。ロータリーの網領には 「事業及び専門職務の道徳的水準を高めること: あらゆる有用な業務は尊重されるべきであるという認識を深めること: そしてロータリアン各自が業務を通じて社会に奉仕するためにその業務を品位あらしめること:を鼓吹育成する」とあります。
簡単に云えば、自分の仕事の社会的価値を高めるようにいつも努力し、他人の職業を認める。そして自分の仕事を一生懸命やれば、それが他人のためになる。ということです。
「他人のためになる仕事をやっていれば、必ず儲かる。儲からないのは、人の役に立っていないことだ。」と大阪ロータリー・クラブの会員だった松下幸之助さんが云っています。
四つのテスト
ロータリーには素晴らしい標語があります。言行はこれに照らしてから
- 真実か どうか
- みんなに 公平か
- 好意と友情を 深めるか
- みんなのためになるか どうか
- Is it the Truth?
- Is it Fair to all concerned?
- Will it build goodwill and better friendships?
- Will it be beneficial to all concerned?
Of the things we think, say or do:
いつも、このことばを思い出しながら生活していると、心が安らぎストレスも溜まりません。